東吾妻町の名所・文化
町を物語る景勝地と文化財
先人たちも愛でてきた、美しい東吾妻町の自然と景勝地。また、町の歴史を物語る史跡や文化財などをご紹介します。
自然・景勝地
国指定名勝:吾妻峡
「関東の耶馬溪」といわれる景勝地
吾妻渓谷は、吾妻川に架かる雁ガ沢橋から八ツ場大橋までの約3.5キロメートルにわたる渓谷です。川原湯温泉から約1.8キロメートルの探勝遊歩道は、ゆっくり歩いて片道40分の家族向きのハイキングコースです。つづら折りの狭い道をたどっていくと、そば立つ懸崖や奇石、滝など変化に富んだ見どころが続き、渓谷の美しい眺めを一望できる見晴らし台もあります。
日本名水百選:箱島湧水
日量約3万トンの湧出量を誇る湧水
箱島不動尊のお堂脇にある、樹齢400年とも言われる町の天然記念物「箱島不動堂の大杉」。その根元からこんこんと湧き出るこの湧水は、日量約3万トンもの豊富な湧出量を誇っています。良質の水は鳴沢川となり町内の飲料水、農業用水、養鱒場用水として利用されています。
ホタルの里
箱島湧水の下流鳴沢川に生息
箱島湧水を源とする鳴沢川では、毎年6月中旬から8月上旬にかけて、今では見ることが少なくなったゲンジボタルやヘイケボタルが、夏の夜空を彩ってくれます。無数の光に包まれると優しく幻想的な世界が広がります。
岩櫃山
標高802メートルの奇岩怪石の岩山
岩櫃山(いわびつやま)は、標高802メートルの岩山で、吾妻八景を代表する景勝地として知られています。南面は約200メートルの絶壁。奇岩、怪石からなる切り立った山容は、中国の南画のような趣があります。山頂からの眺望はすばらしく、眼下には東吾妻町や中之条町の市街地、眼前には上州の山々が広がり、晴れた日には遠く富士山も望めます。
榛名山・榛名湖
上毛三山のひとつ 榛名山のカルデラ湖
上毛三山のひとつとして親しまれる榛名山(別名“榛名富士”)。その美しい山並みに囲まれた榛名湖は折々に彩りを変え、四季を通じて素晴らしい自然を楽しめます。
不動滝
冬は凍結する3段の滝
観音山登山口の不動堂脇の崖上から、力強いしぶきを上げる大滝。冬には美しい氷の彫刻が見られます。
浅間隠山
頂上は360度のパノラマが広がる
東吾妻、中之条町側から見ると、浅間山を隠してしまうところから「浅間隠山」と名づけられた山です。富士山に似た山容から「川浦富士」、あるいは、山頂部が二峯に分かれているため「矢筈(やはず)山」といった別名もあります。標高1756.7メートルの山頂からは、360度の展望が素晴らしく、浅間山はもちろん、北アルプス、上信越の山々、遠く関東平野も望めます。
歴史・文化
岩櫃城跡
吾妻氏、真田氏の歴史舞台。武田領内の三名城のひとつ
岩櫃山(802メートル)の中腹に築城されたのが岩櫃城です。吾妻郡内における代表的な中世山城で、その規模は群馬県内でも最大級を誇ります。吾妻太郎によって南北朝時代に築かれたといわれており、その後齋藤氏そして真田氏の支配下に置かれました。特に真田氏支配期に大きな発展を見せ、当時真田氏が仕えていた武田氏支配下の三名城と呼ばれました。その後一国一城令によって廃城になりました。
長福寺の五輪塔
岩井長福寺には岩櫃城の城主だった吾妻太郎行盛の墓碑と言われる五輪塔があります。現在五輪塔は三基が残り、その内の一基には貞和五年(1349年)の銘が刻まれ、この年は南北朝時代に里見氏と吾妻氏が戦った年と考えられています。
箱島不動尊
小児のやけど、虫よけにご利益があるといわれています。箱島湧水見物に来たら立ち寄ってみたい場所です。不動尊にある大杉は、目通り5.30メートル、高さ23メートル、樹齢は約400年。
原町の大ケヤキ
国指定天然記念物
原町市街の東端にある大ケヤキ。樹齢千年といわれ、江戸時代初期、この地に町を移転した際の町割りの基準になりました。
加部安左衛門関係遺跡
江戸時代に上州一の分限者(財産家)と呼ばれた加部安左衛門(世襲)は街道の要衝であった大戸に屋敷を築き、その経営事業の多くから莫大な資産を持ちました。現在屋敷跡には石垣や玄関、うだつ、井戸等が残され、その栄華が偲ばれます。
大運寺
大運寺は南北朝時代に宝誉(ほうよ)上人によって開山され、大戸を中心に多くの檀家を集めました。分限者であった加部安左衛門も厚く信仰し、その財産によって寺の堂宇を建て替え、大運寺は隆盛を極めました。